お米と水が神様からの恵みならば、それらから造られるお酒も、とうぜん神様からの恵みの賜物になるわけです。本来、人は、食べ物も飲み物も、生活用品も、家も、町も、エネルギーなんかも、すべて神様からの恵みだけでよかったはずです。その恵みの中で、やっていればよかったのです。自然に帰れ!神道の心に帰れ!・・・なーんて大きな話しをするつもりはなく、ただただ、「お酒を飲んで楽しい暮らしをしましょう」ってことを言いたいわけです。
「年間100銘柄を目指して」と副題に書いていますが、本当はそんなことどうでもよくて、何か飲む理由を考えてみただけ・・・。さあ、肩肘はらずに、飲みましょう~!
山梨は長野とともに山国であり、日本酒も基本は濃厚甘口という共通点があります。ですが、同じ濃厚甘口でも、長野のほうは「陽」であり「カラッと開放感のある」趣があるのに対し、山梨のお酒は「陰」であり「鬱」の趣という真逆の性格に感じます。それは、同じ山国とはいっても、標高3000メートル級がずらりと並び雄大な景観を望める長野と、低山がごちゃごちゃっと密に入り組み(山密・・・笑)、台風、水害のニュースが絶えない山梨という、地形が生み出す自然環境の性格と、その自然環境に住む人の性格からくるものではないか?と考えています。
しばらく山梨県大月市に通っていましたので、地元の有名酒「笹一」を購入してみました。わたしの勝手な考察通り、こちらも山梨らしいグッと心の奥底深くまで届くような、陰な甘口濃厚味でした。
これまでは、長野のお酒を美味しいと贔屓にしていましたが、こういった山梨のお酒にも開眼しそうな、そんな趣深い味でした。
肴に注目!
甲府を中心に、山梨に来るとよく「あわび」がお土産として売られています。なんで、海の無い山国の山梨であわびが・・・、と最初は不思議だったのですが、これには由来があるようです。時は江戸時代、駿河湾で獲れた魚介類は醤油漬け、塩漬けにして近隣諸国に運ばれていました。その中でも、馬の背に乗せられて甲斐国に運ばれた「あわびの煮貝」が、馬の背中の体温と揺れによってちょうどいい塩梅に沁み込んで、美味く仕上がったらしいのです。それから、甲斐国(山梨県)の名産品として売り出されているのだそうです。意外とこの手の話はあって、地理的な要因が食文化に影響することが多いようです。その観点から、地方の特産品や名物を調べてみるのも面白いかもしれません。
初めて食べるその味は・・・クチャクチャとゴムみたいな不思議な食感があって美味しい!・・・ぜんぜん美味しそうな書き方じゃないですけど(苦笑)最近お気に入りの織部のホタテ豆皿に乗せて、貝オン・ザ・貝で。
箸置きに注目!
中秋の名月(10月1日)にはまだ遠いですが、「うさぎ」を使った陶器類が売り出されていましたので購入してみました。なかなか素朴でかわいいでしょう。