最近、「奈良」に旅していません。そろそろ禁断症状がでてくるかも(苦笑)
わたしのパワースポット巡り600ヶ所超で、最も思い出深い・・・奈良。
これまで縁の無い土地だったけど、ここで死ねたら本望だと思った・・・奈良。
わたしの人生に最も影響を与えたと言っても過言ではない心のふるさと・・・奈良。
奈良について書いた日記を、閉鎖中の旧ブログから引っ張ってきました。
パワースポット巡り(203)大津皇子のお墓と二上山 2014/06/22
みなさんは、憶えておられるでしょうか?昨年、大神神社の大美和の杜展望台に登った際に、「ここから見えるところすべてに行ってみよう」と思い、「葛城山」〜「金剛山」〜「大和三山」とまわったことを。
今回はその続きとして、一番奥の右端に見える双こぶの山「二上山(ふたかみやま)」に登ってみようと思いました。なんでも調べたところによりますと、山頂には天武天皇の皇子「大津皇子(おおつのみこ)」のお墓があるんだそうです。大津皇子とは、優秀すぎたゆえに謀反の罪をきせられて、世を恨んで自害した悲劇の皇子になります。
世を恨む呪いのパワーはたいへん強力な「負のパワー」でありますが、それを祀ることによって反転させれば、その強力なパワーが「正のパワー」となって護ってくださるーそんな信仰をご先祖様たちはもっておられました。わざわざ都を見下ろす山の上に、お墓を作っているところをみると、かなり手厚く祀っているに違いありません。だとすれば、今では強力なパワースポットになっているのではないでしょうか。ここは期待できそうですよ。
近鉄線二上神社口駅を降りてから10分ほどで、まずは最初のパワースポットがありました。パワースポット特有のこめかみ辺りにキーンと痛みがきます。登山口にでーんと門番のようにかまえている「葛木倭文座天羽雷命神社(かつらきしとりにいますあめのはいかづちのみことじんじゃ)」です。「登山にふさわしくない者は、ここから一歩も通すまじ」といったちょっと恐ろしげな雰囲気。(おそる、おそる)ぼくはお眼鏡にかなったでしょうか?登山の無事と、すばらしいパワースポットとの出会いをお願いして、ぱん!ぱん!っとしました。
さあ、登っていくぞお!と思ったら、いきなりこんなフェンスが。イノシシ避けだとか。え!?じゃあ、この山にはイノシシがいるってことなのか。それだけ深い山だってことでしょう。先が思いやられます。
・・・はー、はー、はー。
思った通りの厳しい山道が続いていきます。ほかに登山客はいないようです。シーンと静まり返った山中、ひとりだけの登山になりました。まるで、生きている者はこの世界でぼくだけーそんな孤独を背負いながら歩いていきます。
いやいや、こんな孤独、大津皇子が背負った孤独にくらべればなんてことないはず!えっちら、こっちらと。
・・・ふー、ふー、ふー。
ほとんど永遠と思えるほどの、気の遠くなるほどの時間を歩きました。じっさいは1時間ちょっとぐらいかな。だんだんと森が開けてきて頂上が近いことがわかってきました。もうすぐゴールです。そのとき、パラパラと雨が降ってきました。ああー、まるで大津皇子の涙雨のようです。
やがて石垣のようなものが見えてきました。あそこが頂上のお墓でしょう。そのとき、雨足が激しくなってきました。まるで、大津皇子が、「おまえに、おれの悲しみがわかるか!」と訴えてきているようです。
さあ、ようやく頂上に到着しました。いよいよ大津皇子とご対面です。お墓の前に立ってみると、うおおーっ!すごい強烈なパワーだ!怒りというか怨念というか重々しいのですが、それでいて、すべてを許しているような穏やかで澄み切ったパワーが感じられます!とくに、正面から左にまわって、裏側に着いたあたりがすごいです。ただし、崖なんで気をつけて。
ぼくは、とっさに、さしていた折り畳み傘をたたみました。ここで傘をさしてはいけないと思ったからです。なぜだか、ふいに、この雨に打たれなくては、受け止めなくてはならないと思ったのです。目をつぶると、それからぼくの心はまったく無心になっていきました。只々、手をあわせていて、雨音だけが聞こえていました。しばらくすると、ふいに、目があきました。なにか許されたような、パワーをいただいたような気がしてきました。これからは、大津皇子がぼくの力になってくださるような気がしてきました。「ありがとうございました!」と心の中でお礼をして、ぱん!ぱん!としました。
その先に、というかほぼ隣に、「葛木坐二上神社(かつらぎにいますふたかみのじんじゃ)」と塚がありました。こちら二上山の神様のようでした。いいですねえ。かなりのパワースポットのようで、かなりの痛みがきます。
・・・するとそのとき。
誰もいないはずの山頂で、かすかながら子どもの笑い声が聞こえてきたのです。やがて、いっしょにお爺さんの笑い声も聞こえてきました。雨足はずいぶん強くなり、灰色の空と相まって、まだお昼前だというのにあたりは暗めです。そこへ不気味な笑い声ですから、ひえーっ!山の妖怪が出たあー!と、血の気が引きました。そうしたら、向こうの山道から、ぴょんぴょんと跳ねるようにしてリュックをしょった少年がやってきました。そのすぐ後ろにはお爺さんがついていました。二人の姿は、まるで甥っ子のくう君とジイジを見ているようでした。
え、・・・どういうこと?まだ事情がのみ込めていませんでしたが、その後、ワイワイと、登山姿の老夫婦や、家族連れやらがやってきました。そこでやっとわかったのですが、どうやら二上山は週末の登山やピクニックで有名な山のようなのです。ふつうは反対側から登っていき、ぼくが来た山道は帰りのコースだったようです。なーんだ。だからまだ誰もいなかったんですねえ。ぷぷっ、全世界の孤独を背負って歩いてきちゃった自分が恥ずかしいなあ(苦笑)
それから、二上山にあるもう一つの山頂へ行ってみることにしました。途中、いくつもの登山コースが交錯する広場があって、きちんとしたトイレやベンチがありました。ちょっと休憩、休憩。
さあ、もうひと踏ん張りです。もう一つの山頂には展望台があるといいます。今までは大神神社からこっちを眺めていましたが、逆にこっちから大神神社を眺めてやろうと思いました。ところが、ほら、残念。雨雲で視界が遮られまったく見えませんでした。つぎは晴れた日に登ってみようっと。
帰りは「馬の背」というルートを降りていったのですが、山中にある巨大岩石から強烈なキーンが発せられていました。「巨石信仰」好きにはたまりません。
登山口を出たところにある「鳥谷口古墳」です。ここもパワースポットのようです。キーンときます。
ああー、よかったー、なかなかいいパワースポット巡りだったと思ったら、これで終わりではありませんでした・・・
「うつそみの人なる われや明日よりは 二上山を弟世と わが見む」
帰りの駅に向かったつもりでしたが、どうやら道を間違えてしまったようでした。
かなりさ迷っていたのですが、急に痛みがくる道にさしかかりました。その痛みがあまりにも強力だったのと、何やら胸騒ぎを感じまして、出所をたどっていくことにしました。そして行き着いたのが、この歌碑の前でした。なんだろうと、よく見てみると、・・・
「うつそみの人なる われや明日よりは 二上山を弟世と わが見む 大伯皇女」と書かれています。それは大津皇子の死を嘆く姉の大伯皇女の歌碑でした。皇子のお墓を訪ねる旅の最後にふさわしい場所でした。その深い悲しみに、心をこめて手をあわさせていただきました。
このような悲劇を繰り返してはいけませんね。
「天才詩人こうやまあきらの個展」ついに、はじまりました!
【期間】12月14日(土)〜12月29日(日)
【場所】神田神保町きっさこ
「都営新宿線神保町駅」A4出口から白山通りを水道橋駅方面へ。途中、マツ モトキヨシの角を左へ曲がり、さらに一つ目の角を左に曲がった裏通り