靴を磨くということー
それは、靴墨を塗り込み、ピカピカに光らせることではない
それは、己の魂を塗り込むということ
魂を塗り込み、自分の分身を産み出す行為にほかならない
もし、わたしが理不尽な殺され方をしたら、わたしの代わりに、この靴たちが仇を討ちに向かうだろう・・・
月末の31日(土)は靴磨きの日でした。一か月間の汚れを落とし、新しい一か月間に向けて準備する大切な日になります。
ひと昔前、靴屋に置かれていた靴磨きのクリームは、栄養補給を専門にした乳化性クリームの「メルトニアン」と、光らすことを専門にした油性ワックスの「キウイ」しかありませんでした。それが今では、メルトニアンが姿を消し(廃棄したみたいですね)、キウイも大幅に売場面積を縮小し、群雄割拠の様相をていしています。
数ある中から、黒い靴用に選んで使っているのはアベル社「サフィール」。アーモンドオイル配合という謳い文句に惹きつけられました。フランス製のようです。
茶色の靴用に選んだのはコロンブス「ブート・ブラック」のチェスナット色。発色がすばらしい。こちらは、日本製みたいですね。
・・・でも、どこの製品のファンだとか、こだわりがあるわけではないのです。使いきったら、違うものに変えたりしています。大切なことは、一塗り、一塗り、心を込めてやること。自分の思いのたけを靴に塗り込み、思いを伝えることにより、もう一人の自分に育つのです。分身になるのです。
一塗入魂・・・なかなか、いい四字熟語でしょう~