登山用のノコギリ丸を購入したのとほぼ同じ時期に、日常用の靴も購入していました。リーガルのインペリアル・グレードという銘柄です。つけた名前は「オオクワ丸」。なぜ「『オオクワ』丸」なのか?ノコギリ丸と名づけた理由から考えれば、すぐにわかるでしょう。そう、「オオクワガタのような黒色」だからです(笑)。そのオオクワ丸が2週間の修理を経て戻ってきました。3年間がっつり履き続けて底に穴が開いてしまい、張替えを依頼していたのです。名前をつけるなど、あまりにも「擬人化」してかわいがってきたために、つま先に金属プレートを付けられて戻ってきた姿を見て、「サイボーグ化」されて戻ってきたように思ってしまいました(笑)
一時期、靴にはまったことがありまして、世界中の有名ブランド靴を買い求めたことがあります。「『自分の足型にぴったり合う、自分のためだけに用意されたような、世界一履き心地が良い靴』が世界のどこかにあるのではないか?」。そんな中二病みたいなことを考えていました。しかし、いろいろ履いてみてわかったことは、結局、「そのような靴は世界のどこにも存在していない」ということでした。がっかりしていたときに、ふと、何かしらの拍子で偶然出会ったのが、このリーガル社の靴でした。リーガルと言えば、そこいらのスーパーでも売られている、日本人なら誰もが知っていて、一度は履いたことのある「ふつうの靴」。広い世界に探し求めていて無かったものが、身近な国内の、それも普通の中にあったのです。「青い鳥」みたいな話しでした。
《つづく》