天才詩人こうやまあきらのブログ!

パワースポット巡り100ヶ所、野球観戦100試合、日本酒100銘柄の年間トリプル100を目指して

キオスクの抒情詩

 

シャッターが閉まっている店先に
貼り紙されているのを見ると
ぼくは興奮して見入ってしまうのです
そこに書かれているのは一篇の抒情詩だから・・・
それは、長年、腕をふるってきた店主の
熱い思いが込められた抒情詩にほかならないから・・・

 

 

自宅から最寄り駅にあったキオスクに、一編の抒情詩が。さすが大手チェーンだけあって、個人商店のような抒情性に欠ける事務的な内容です。

しかし、読み手のわたしの心を、ここまでうつ一編もなかなかないでしょう。なにしろ、この町に越してきてからの20数年間、ほぼ毎日前を通り、時には買い物をしたお店ですので。

買い物をしたと書きましたが、思い返してみると頻繁に買い物していたのは、それこそ最初の数年間だけだったでしょうか。今のようにスマホで情報がとれなかった時代、キオスクでスポーツ紙を買って電車の中で読むのが最高の楽しみでした(野球やそのほかスポーツの結果を知るために必須でした)。通勤途中にコンビニができたり、駅構内の自販機が充実するまでは、ガムを買ったり、缶コーヒーを買うのが日課でした。わたしのような人間がいっぱいいて、店の前はいつも活気がありました。

それが、気がつくとポツンと取り残されたように佇んでいるお店になっていました。いつの間にか、そこにあることを気にも留めないお店になっていました。やがて、気づけばこのような貼り紙が・・・。「時代の流れ」と言ってしまえば、それまででしょうが、それでもやっぱり寂しいものがあります。

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キオスクといえば、かつてはお釣りの計算がすばやくて正確なオバちゃんがやっているお店でした。大変そうでしたが、みなさん、その積み上げた経験と技術を駆使して、「誇らし気で、ハリのある顔」をして仕事されていました。しかし、やがてレジポスが導入されると、積み上げた経験と技術が無くても「誰でもできる仕事」になり、オバちゃんの顔から「誇らしさやハリが消えていった」ような気がします。人が働く上で、大切な事とはなにか?社会の一員として、存在する意味とはなにか?そんなことを考えさせられます。

さらに、大きなことを言わせてもらえば、そういった問題は、キオスクだけでなく国内のいたるところで起きているのではないか?と。活気あふれる社会になるためには、もっと考えなければならない問題だと思ったりするのです。

 

なにはともあれ、「長い間、お疲れ様でした。いろいろ、ありがとうございました」と手をあわさせていただきました。