世界の富裕層はイベントを求めて一年を同じスケジュールで旅するといいます。
1月はスイスのサンモリッツにスキーへ、5月はモナコにF1観戦へ、6月はスイスにアート・バーゼルへ、7月にはオーストリアにザルツブルク音楽祭へ、10月はパリへ凱旋門賞・・・というように。これを「ハイライフカレンダー」というのだそうです。これと同じように、わが国のアマチュア野球界にもハイライフカレンダーがあるのをご存じでしょうか?4月、9月は神宮球場に東京六大学野球へ、7月は東京ドームに都市対抗野球へ、8月は甲子園に高校野球へ、11月は京セラドーム大阪に社会人野球日本選手権、最後に神宮球場にもどって明治神宮野球大会を観戦しに旅することをいいます。日本人にとってみれば、こちらのほうがよっぽど贅沢な旅ではないでしょうか?少なくとも、ぼくにはそう思えて仕方ありません。
さあ、最高の贅沢を求めて、「アマチュア野球界のハイライフカレンダー」に沿って出発です!
今日(16日、日曜日)は、今年をしめくくる学生野球最後の大会「明治神宮野球大会」を観戦しに神宮球場へ。高校の部、大学の部に分かれ、全国予選を勝ち抜いた10校で秋の日本一を決める大一番です。大会は来週火曜日まで続きますが、さすがに平日はお仕事なので、わたしにとっては今日が見納め。令和7年の旅が終わりになります。見るものすべてが最後の体験になるので、何も見逃さない心境で千駄ヶ谷駅を降りました。
千駄ヶ谷駅から東京体育館を抜けて、国立競技場が正面に見える坂を降りていきます。この光景も今年最後。しっかり目に焼きつけました。つぎに訪れる4月には、紅白のつつじの花が出迎えてくれるでしょう。

最後をしめくくるのに相応しい秋晴れ。最後の学生野球大会×休日×秋晴れー、絶好の観戦日和のせいかお客さんで一杯でした。わたしに限らず、みなさんにとっても最後の観戦なのでしょう。熱量がいつもの神宮とはちょっと違いました。

外野席後方には黄色く色づいたイチョウ並木が見えました。秋が感じられます。

高校の部と大学の部の一番の違い、それはー、高校の部が(夏の大会を最後に3年生が引退しているので)、来年の主力となる1、2年生のチームなのに対し、大学のほうは4年生がまだ残っているチームという、まったく違うチーム構成にあります(4年生はこの大会を最後に引退します)。いわば、「未来と最後が交錯する」特異な大会なのです。
では、未来からー、
九州国際大付属高校の1番打者が、背中から発するオーラというか雰囲気が鋭くて目を見張るものがありました。

その2秒後、目の覚めるような本塁打。牟禮選手というそうです。ダイヤモンドを回る顔が何とも誇らしげ。珍しい苗字なので忘れずにいられますね。

投打にトップクラスの二刀流で「つぎの大谷」と呼ばれている(と、近くでおじさんが力説していた)山梨学院の菰田選手。身体もデカくて、その点でも大谷そっくり。ゆうに190センチは超えていそう。頭が画角に収まりきらなかった。

申告敬遠。こんなところも、大谷そっくり。相手の捕手と比べればそのデカさが歴然。

マウンドに選手たちが集まってきました。この中でも、頭一つ抜けているのがわかります。来年の活躍が楽しみです。

九国大付6-5山梨学院【16】
つぎに最後をー、
知人に福岡大大濠高校の野球部卒がいて、その縁で応援してきた明治大学・毛利投手、最後の晴舞台。躍動しております。プロ野球・ロッテでもエースとして活躍して欲しいです。

同じく明治大学の4番・小島大河捕手。こちらもプロ野球・西武ライオンズでの活躍が楽しみです。名字にスケールの小さい「小」がつくところを、名前に「大」をつけて相殺するという、両親の名づけセンスに拍手を送りたくなります。今年の六大学野球最強打者の実力を見せつけてやれ!と力を入れて応援していたら・・・なんと三球三振!

ここに、とてつもない未来がー、
もちろん、大学の部にも未来が存在します。今年の下級生たちです。対戦相手・立命館大学の3年生にすごい投手がいました。三球三振をくらった小島をはじめ明治のスター軍団打線がまったく打てず。圧巻の投球でした有馬投手です。この名前も覚えておかないと。どうしても、いつも観戦している六大学の代表を、応援してしまいます。最後の旅で、明治大学の勝利を確信していたのに残念でした。立命大7ー2明大

立命大7-2明治大【17】
目指せ、ユネスコ無形文化遺産「野球場料理」!
今年を締めくくるアルコール飲料を「西川遥輝の梅(うめえ)カクテル」にしたかったのですが、売店員によれば今は売ってないとのこと。そういえば、先月、西川選手は戦力外通告を受けていましたっけ。それじゃあ無理か(苦笑)。そこで、「村上宗隆のデコポンサワー」にしました。ほどよい甘ずっぱさが野球に合います。

「スタジアムカレー」でもなく「絶対勝つカレー」でもない、今まで食べたことのない「黒カレー」を選択してみました。スパイスが効いていて、ちょっぴり辛め。正直、○○壱より美味しいかも。

そして、やってくる最後の光景ー、
春夏が全盛の学生野球を観戦していて、めったに見られない光景。秋冬に開催される明治神宮野球大会で見られる、場内を照らすナイター照明です。

少し暗くなってきたなあ、とのんびり眺めていたら急に暗くなりました。こうなると、一気に寒気が襲ってきます。暗闇に寒風をびゅうびゅう受けながら、震えながら観戦するのがこの大会の名物、醍醐味なのです。これを体験すると「ああ、これで今年の旅も終わるんだなあ」と、つい感傷的になってしまう一場面です。

さようなら、神宮球場~、
さようなら今年のおれの旅~
今季がついに終わってしまいました。100試合観戦を掲げていながら17試合だけ。また来年の4月まで、ばいばいですね。