2月になると各地で「梅まつり」が開催されます。これまで、野鳥見たさに巡っていました。そのうち、「梅の花を見ること自体」が楽しくなり、徐々に「ほかの花を見ること」も楽しくなり、今ではすっかり「花巡り」がわたしの年中行事になっています。2月は梅、3-4月は桜、5月はツツジ、6月はアジサイ、8月はヒマワリ・・・というように。そこで、これから増ます楽しくなるように「花巡り」のカテゴリーを作ってみました。
3月に入り、いよいよ梅まつり巡りも後半戦に突入しました。ここまで巡っていない定番順路は「高尾梅郷梅まつり」と「青梅・吉野梅郷梅まつり」のみになりました。では、今週はどちらに行こうと考えてみると、青梅のほうは高地に在るせいか、例年咲くのが遅いので来週以降でも十分間に合うかな、と。そこで、今日(9日、日曜日)は高尾のほうへ足を運ぶことにしました。
高尾山口駅で降りてから、まっ先に改札口脇で「焼き団子」を購入しました。何しろ、コンビニ一つ無い通りを4時間近く歩きますので、腹ごしらえをしておかないと。甘口の高尾山団子に慣れているので、ピリリと辛い醤油味ド直球にはビックリしてしまうけど、これはこれで美味しいかと。良い観光地には、美味しい団子がつきもの、というか必要不可欠なもの。「観光地と団子」という主題で研究論文でも書きましょうか。

食べ終えると、さっそく梅まつり会場へ。昨年は3回に分けて巡った順路を、今日は1日で巡るので急がないといけないのです。坂本橋に来ました。当初はキセキレイをよく見た場所ですが、ここ最近はご無沙汰になってます。その代わりに♪ホ―、ホ―、ホケッ、ホケッー、とウグイスの鳴き声が聞こえてきました。今季初めて聞きます。まだ鳴き始めなので、きちんとホケキョとは鳴けていません。

すぐ先の落合橋です。今季、ここで初めてカワセミを撮りました。今日は姿が見えず。ま、しょっちゅういる凡種じゃないからね。

甲州街道に出たら山伏の集団がザッザッザッと。エンタメのため・・・おっとシツレイ、修行のため高尾山薬王院に向かっているのでしょう。

駅から10分ほどで第一会場に到着しました「遊歩道梅林」です。まあ、ジョウビタキを見によく訪れる、このブログでもお馴染みの小仏川沿いの遊歩道のことです。残念ながら今季は見ておりません。さあ、ここから順に巡って行きます。

さすが梅まつりの季節。普段はほとんど人を見ないのに、多くの家族連れが行き交ってました。昨日まで続いた雨雪のせいで「花は散ってしまったのでは?」という懸念がありました。どうやら、その懸念は当たったようで、かなり寂しい咲具合いです。

それでも元気よく咲いている白梅を見つけてパシャ。

力強くとも可憐にピンと背伸びしている真紅の梅花もパシャリ。今季の梅まつりも後半戦。上手に写せているでしょうか?結局、今日もジョウビタキ君は姿を現さず。もうここでは会えないのかも、寂しい限りです。

「関所梅林」に到着しました。昨季はかわいいジョウビタキの女の子がいました。今年も期待していたら・・・あらら。野外コンサートをやっていたり、キッチンカーで食べ物が売られていたりしていて人でいっぱい。この雰囲気では、じっくり梅花撮影も野鳥撮影も出来なさそうです。足早に次の会場へ向かうことにしました。

(▼「2024年3月6日」の日記より)

第一の見所「駒木野公園」を通りました。残念ながらこんな感じです。ああ、やっぱり。今週の雨雪ですっかり散ってしまったようです。

(▼「2024年3月6日」の日記より)

旧甲州街道は梅まつり目当ての歩行者で混みあっていました。なので、並行している山道のほうを歩いていきます。自然豊かで好きな小径です。

最近その価値を見出している「自然の盆栽」をパチリ。日陰にちょうど良い塩梅で木漏れ日が差し込み、神秘的な瞬間が写せました。

なかなか、都合よく木漏れ日は差してくれず。陰影に欠ける画像になってしまった。

こっちも。熱心に写していると、後ろから「何を撮っているんですか?」と年配女性から声を掛けられました。自然の盆栽と説明しても理解はしてくれないでしょう。愛想笑いでやり過ごしました。いずれは、胸を張って言えるような時代がくると良いのですが。

木製の橋を渡って行きます。昨年6月にカラスアゲハを見ました。いまはその時のために、この周辺でサナギとなってじいっと力を蓄えているのでしょう。暖かくなったら、また会いたいものです。

(▼「2024年6月24日」の日記より)

ここまで来て、時計を見てビックリ。いろいろ写真を撮ったりしているうちに、すでに1時間を経過していました。先が長いので急がないと。残念ですが、お楽しみ箇所に時間をかけたいので、それ以外は外から見るだけで通り過ぎることにしました。
「天神梅林」。申し訳ないけど、さっさと。

「高尾梅の郷公園」。トイレに入って用をちゃっちゃと。

この土日が特別に設けられた「うめまつり」の日のようです。ということは、今日来たのは正解だったようです・・・本来ならば。前日までの雨雪に計画が狂わされました。

つぎは時間をかけないといけません。駒木野公園に続く第2のお楽しみポイントへ。「蛇瀧水行道場入口」を曲がった、社会福祉施設前の梅の大木です。しかし、残念。やっぱりすっかり散ってしまったみたいです。

(▼「2024年3月6日」の日記より)

まだ咲いている上部をアップして撮影を試みました。そのとき気づいた点がありました。散ってしまったと考えていた箇所は蕾でいっぱいでした。これはもしかすると「雨雪で散ったのではなく、雨雪で咲くのが遅れているのではないか」と。だとしたら「来るのが遅かったのではなく、来るのが早かった」のかもしれない、と。

「湯の花梅林」、

「するはし梅林」を通り、

清流を眺めながら奥にどんどん進んで行きます。

途中、沿道に咲く見事な梅花が目を楽しませてくれます。会場の梅だけではないところが高尾の魅力なのです。

足を速めてから約1時間。第3のお楽しみに到着しました「木下沢(このさわ)梅林」です。会場としては一番楽しみにしている名所です。

山の斜面を利用しているので、最も高尾らしい「ザ・高尾の梅林」といった雰囲気があります。


昨日までの荒天とは打って変わって青い空。

青い空を背景に、ピンクと白の梅花に、緑の下草。目の前に広がる風景が、幸せしか感じられない色合いで、ついつい鼻歌を歌ってしまいます。

これ、これ。植生の違いから真っ二つに割れたように見える「アシュラ男爵」山(笑)

すごい絶好の撮影ポイントを見つけました。幹の近いところに咲いている可憐な梅花です。幹から生えている緑色の葉っぱも色味が対照的ですばらしいです。

何度、撮り直しても満足した一枚は撮れず。あまりにも素材が良いと、調理の仕方に困ります。もし、もっと高級なカメラだったら、あるいは腕の立つプロだったらどう調理してくれるのか?

木下沢梅林は少し高い所を登っていくので、途中にこのような中央本線を見下ろせる絶景撮影場所が在りました。行きに「『撮り鉄』が狙ってそうだな」と思っていたら、帰りにそれらしい望遠カメラを持った撮り鉄が待ち構えています。わたしも負けじと横に並び、「撮り鳥」×「撮り鉄」対決。早く来ないかなあ。

そうしたら、ブワワワーと登りがやってきて背中越しをパシャリ。正面から撮りたかったのですが、まあこれでいいや、と満足して帰ることにしました。撮り鉄は正面から写せる下りが来るまで待つようで、そこにじいっとたたずんでいました。やっぱり、そういう執念は本職にかないませんな。

最後の「小仏梅林」へ向かいます。清流がますます清流になっていきます。

梅林と名が付きますが、実際は並木といった感じに点在しているのがこちら。

やはり思ったほどは咲いていません。でも、先ほど気づいたように、遅れているのだとすれば希望が持てます。そう、来週以降に。

最終地点、バス停「小仏」に到着しました。時刻はちょうど2時。駅から歩き始めて、もう3時間が経過しています。帰りはバスに乗るか、また歩いて帰るか、どうするか?を考えましたが、考え抜いて歩いて行くことにしました。行きには出会えなかった、他の楽しいものと出会えるような気がしますので。そういう予期せぬ出会いが旅行の醍醐味だったりするのです。

集団行動
バスが観梅客の増加のために臨時便が駆り出されているようです。
こちらは3台、

こっちは2台。

こっちも2台で集団行動しております。普段はあまり見ない光景なので、なんとなく微笑ましく見えます。

ウッキー
梅が咲いていないのに、沿道に大勢が集まって写真を撮っていました。何かと思いよく目を凝らして見たら、なんとウッキーが。なかなか野性のウッキーは見られませんよ。これだけでも、帰りは歩いてみた甲斐があったというものです。

一番きれいなもの
梅もきれいだけど、それよりも右端に写っている西洋人のお姉さんが格段ときれいでした。「一番きれいなのは人間の女性だった」というオチでいいのかな?(笑)

幸せな場面
ミツバチたちが一生懸命に花の蜜を集めていました。花とハチは、花とチョウに並んで見ていて心が温かい幸せな気分になれるので好きなのです。結局、帰りは1時間20分かかってしまい往復で4時間20分のちょっとした冒険になってしまいました。しかし、楽しいことばかりで止められません。もしかしたら、もう一度来るかもしれません。
