つい先日のこと。ヤフーニュースをつらつら読んでいると、とある記事が目にとまりました。「2030年代半ばの開業を目指して、多摩モノレールの北側終点・上北台駅(東大和市)を、『八高線・箱根ヶ崎駅』付近まで延伸する」というものです。先週、越生梅林へ向かうため、初めて八高線に乗りました。もちろん、途中に箱根ヶ崎駅があったことも記憶していました。乗ったばかりで、まだ関心の高い矢先に目にしたので、何か縁を感じてしまいました。わたしはこういう縁は大変大切にする性格なので、こういうことが起こったのは決して偶然ではなくて、箱根ヶ崎の神様が「うちのパワースポット紹介するから来いよ」とか、旅行の神様が「楽しい場所がいっぱいあるから行ってみな」とか誘われていると感じる性格なのです(笑)。そこで、この休日を利用して(3月2日、日曜日)、再び八高線に乗り箱根ヶ崎へ向かうことにしました。
さて、乗車駅ですが。前回は起点である八王子駅から乗車しました。そのとき、車窓から風景を見ていて、ふと「八王子駅まで行かなくても、京王線の途中に在る長沼駅から、八王子駅のつぎの駅である北八王子駅に歩いていけるのでは」と気づきました。そこで、今日は「最近巡っていない長沼橋付近で野鳥探しをしながら向かおうかな」と思いつきました。これは名案だと、長沼駅で降りると長沼橋付近の土手を歩いて行くことにしました。

今日は生憎の曇り空。野鳥探しの定番順路を歩いていきます。

この辺り、シーズンの後半になるとホオジロがよく見られる場所です。そうしたら、いきなりホオジロがぴょこんと飛び出してきたのでパシャリ。もう3月ですから、いよいよ後半戦に突入したようです。冬鳥と会えるのも残り僅か。早いものです。

ツグミも出てきました。背後に、わたしが居ることに気づいていないようです。そんなことじゃあ天敵に狙われるぞ。

藪の中に、ジョウビタキのメスが隠れていました。お眼目ぱっちり。黒目勝ち、というよりも黒目しかない。

こっちにもツグミが。今季はなかなか姿を現さないので心配しました。それなりの数が日本に来ているようです。

新浅川橋まで来ました。正面に、八高線の鉄橋が見えます。画像正面の左に行けば八王子駅、右に行けばすぐのところに北八王子駅が在るはずです。なお、奥に見える赤い橋が、このブログで何度も書いている大和田橋です。そういう位置関係にいます。

あらら。電車に乗っていたときは、浅川を渡ってすぐに在ったと思った北八王子駅ですが、実際、歩いてみるとけっこう遠い。電車という文明の利器がいかに優れているかがわかります。途中、入り組んだ住宅街に迷い込んだこともあって30分近くかかってようやく到着しました。ここから4駅、23分の旅が始まります。

都下の八王子とはいえ、曲がりなりにも東京の電車なのに「2両編成で、しかも降りる駅に着いたら自分でボタンを押してドアを開ける」かわいい八高線でトコトコ。さあ、目的地である箱根ヶ崎駅に到着しました。駅舎に特産品が展示されています。

「東京だるま」に、

「東京狭山茶」、「村山大島紬」。特に気になったのが「狭山茶」でした。狭山茶といえば、狭山丘陵沿いの埼玉県で作られるお茶だと認識しています。なんで東京で狭山を名乗るのかな?と。それは旅行の最後のほうでわかりましたので後ほど。

改札を出ました。西口から眺める風景です。すっかり雲がなくなって青空になりました。まるで歓迎されたかのようです。所在地は「東京都西多摩郡瑞穂町」だとか。小笠原村、桧原村と東京に村が存在することは、けっこう知られていると思います。しかし、郡が存在することはほとんど知られていないのでは。多摩を愛するわたしでも、西多摩郡は知りませんでした。

馬頭刈山、鶴脚山、馬頭刈尾根、つづら岩付近、大岳山、麻生山、御前山、惣岳山、鍋割山、御岳山(奥の院)、日の出山、御岳山(神社)、三室山、大塚山~七ツ石、高丸山、鷹ノ巣山、小雲取山、雲取山、本仁田山、白岩山~武甲山、浅間山、武川岳・・・ここから奥多摩、秩父の山々が望めるようです。さすが、東京のはじっこ。

中央にぴょこんと飛び出ているのが御岳山(奥の院)で、その右隣が御岳山(神社)のようです。パワースポット(800)記念回に登拝しました。ここから、霊験あらたかな方面に向かって、ぱん!ぱん!

観光地が広がっていそうな東口に降りてみます。駅舎の周りに、いくつか周辺案内図が用意されていました。エスカレーター下にはこんな案内図が。英語、中国語、ハングルと4か国語で書かれています。いまの時流に乗って、訪日外国人観光客を呼びたい気満々のようです。それなのに、一番目立ちにくい場所に控えめに貼ってあるところに、町の奥ゆかしい性格がにじみ出ております。

正直、ベタベタ外国語が表記されていると見づらくてしょうがない。一番すっきりしていて見やすかったのがこちらの案内地図でした。タクシー乗り場に立っていた「瑞穂町広域案内図」です。何しろ、わたしの旅行流儀が「なるべく事前情報を得ずに、周辺案内図を見て順路を決める」やり方なので、地図のわかりやすさは「命綱」のようなものなのです。これだけ重要ポイントが簡潔に記されていると見やすくて助かります。

まずは、大まかな順路を決めます。駅のすぐ近く南と北に人名の神社を見つけました。「加藤神社」と「杉山神社」です。まるで、天帝(駅)を南北で守護している南斗聖拳と北斗神拳のようです。(すみませえん、南北となると、こんな発想になってしまいます。)まずは、その二社へご挨拶しに行こうかなと。その後、一番大きそうな「狭山神社」へ参拝し、裏手の「さやま花多来里の都」を見学して、「浅間神社」「八雲神社」へ参り、最後に「狭山池公園」を巡ることにします。

まずは、5分程で到着しました。「加藤神社」です。ヒリついた「パワースポット特有のこめかみ辺りにキーンとくる痛み」を放たれています。

「加藤塚地跡」。武田氏の落武者のようです。だから、武士っぽくヒリついていたのかなと。地元民に祭られて、今ではすっかり守護神として、にらみを効かせておられるようです。何とも心強い神様です。「初めて足を踏み入れます。今日一日、よろしくお願いします」と挨拶してから、ぱん!ぱん!


今週、梅まつり巡りは一休み。なので、境内で見事な花を咲かせている梅を見て、お祭り気分を味わうことにしました。

串状に伸びたピンク色も見事。ミニ梅まつりも楽しいもんです。

パワースポット(1019)「加藤神社」
つぎに、駅北を守護していおられる杉山神社へ。杉山氏はそんな氏素性なのか?と思ったらどこにも由緒書がありません。ヒリついた感がなく、そこはかとなく穏やかな性格のキーンがきます。こちらへも、ぱん!ぱん!っと。

パワースポット(1020)「杉山神社」
都道166号を真っすぐ歩いて行きます。途中、青梅街道と交差する十字路に差し掛かりました。その目の前に広がる異様な光景にビックリ仰天してしまいました。お墓が盛りだくさんになっていて、異様な迫力があります。本来なら墓地を撮影するのはご法度ですが、ここはどうしても残しておきたくなってパシャリと。

「狭山神社」に到着しました。外観からあふれ出す古社の風格。ここは期待できそうです。

なになにー、「源義家が奥州征伐の折、狭山池辺りに陣営した」と。そのときに「箱根権現の霊夢を感じ」ほうー。「当地に勧請。凱旋の時には奉賽したといわれる」のだそう。へー。関東武士の信仰を集めた神社だから、こんなにヒリついた氣を放っておられるんですねー。

わたしも戦場に向かう武士の心構えで。いざっ。ザッザッザッ。

古社の只ならぬ迫力がある拝殿。今日初めてこの町に来られた喜びと、今日は最後までゆっくり楽しめることをお願いしてから、ぱん!ぱん!

摂社の中でも、小高い位置に鎮座する、(お金の匂いがする)「権現山稲荷神社」様へも、ぱん!ぱん!っと。

パワースポット(1021)「狭山神社」
つぎに、「さやま花多来里の都」を目指して向かいます。周辺案内地図だとすぐ裏手に記載されていました。石段を降り境内を出てから裏に回ります。道の名称が「飯能街道」。この道を行けば飯能に着くのでしょう。飯能、このブログで何度か書いていますが、わたしの大好きな土地です。また巡りたくなりました。

駅からここまでの道中、あちこちに郷への案内看板が設置されていました。町をあげて、力を入れているようです。さあ、右に曲がるとー、

おお、ここか。本当に裏側で、鎮守の森の真裏半分が郷になっている、そのような位置関係でした。

雑木林が広がっています。まさに、多摩の自然環境そのもの。

見頃は3月下旬だそうです。かなり早かったか。

カタクリは以前、青梅線・白丸駅周辺で見ました。花の紫色と葉の緑色が地味質素で、西洋花とは違う、いかにも黒髪が似合う和の花のようでした。ここ一面が花でいっぱいになるのなら、その時期にまた来ても良いかな。

おそらく、向こう側に見える丘陵に「浅間神社」と「八雲神社」が在るはず。一旦、郷を出て166号と日光街道とが交差する十字路を渡ります。

「浅間神社の入口はどこかな?」とキョロキョロしていると、とんでもないバス停を見つけてしまいました。なんと「富士山」!? 浅間神社は右側に広がる丘陵の頂上に鎮座しているようです。ということは、そこを富士山に見立てて、実際の富士山山頂に鎮座する浅間神社を置いたということか?とりあえず浅間神社へ参拝してみることにしました。

けっこうな急斜面に木製階段がドーン!と。ぜーぜー、

登り終えたと安心したら、さらにドーン!「そりゃあ仕方ないか、だってここは富士山なんだから!」七合目、八合目・・・はーはー、九合目・・・ひーひー

ついに踏破!山頂まで来ました。もう息も絶え絶えで、パワースポットとしての氣を感じるどころじゃない。まあ、本物の富士山に登ったのと同じ御利益があるに違いありません。コノハナサクヤ姫様に、ぱん!ぱん!と。「小田急線の終点には箱根があって温泉に浸かれる」ように、「京王線の終点には高尾山があって登山できる」ように、「多摩モノレールの終点には富士山があって登山できる」と売出してみてはいかがでしょうか?怒られますかね(笑)

パワースポット(1022)「浅間神社」
さらに、違う道から降りていくと中腹に「八雲神社」が鎮座していました。こちらへも、ぱん!ぱん!っと。

パワースポット(1023)「八雲神社」
少し尾根を歩いてみました。今年初めて見るモンキチョウが目の前にフラフラと飛んで来て、わたしを牽引するかのように前を飛んで行きました。しばらく進むと、案内地図が見えてきました。どうやら瑞穂町は狭山丘陵の西端に位置していて、ずうっと東に進んで行くと狭山湖や多摩湖や、西武ライオンズの本拠地ベルーナドームを通り、東端の東村山市に抜けるようです。狭山丘陵・・・多摩に住み多摩丘陵を愛する者として、ここをどう関係づけるか今ひとつ考えるところです。一部分が東京多摩地域に位置するとはいえ、ほとんどが埼玉県なので多摩扱いしていいのか?じゃあ、多摩丘陵にとっては兄弟なのか?仲間なのか?ライバルなのか?とか(笑)。俄然、興味がわいてきました。野鳥探しや雑木林散策にうってつけな自然環境と聞きます。近いうちに、横断旅行や縦断旅行をやってみたくなりました。
また、ふと気づくことがありました。「狭山茶」と聞くと埼玉県「狭山」市と結びつき、埼玉のお茶の産地と連想してしまいます。しかし、町が狭山丘陵の西端に位置しているのなら、狭山丘陵の東京側で生産されているお茶として、東京狭山茶を名乗るのはおかしいことではない、ということにです。そういえば、狭山神社とか狭山池とか狭山と付く地名が多い理由もわかりました。なるほどね、と納得しました。
ふと、気づくとチョウの姿は見えなくなっていました。大切なことを教えたので、自分の役割を終えたから去っていったかのようでした・・・。

最後に「狭山池」へ向かうことにしました。その途中で、上空からゴオオオーーーッと爆音が聞こえたかと思うと、超低空飛行で航空機が目の前を飛んでいきました。入間市と福生市が隣接しているので、在日米軍基地の飛行機だと思われます。静かな自然環境が多く残る土地だけに、騒音が非常に目立つ存在になり地元民は大変だろうと考えせられました。
狭山池に着いてみると、ほとりに弁財天様が鎮座していました。どこの弁財天もパワースポットとして強力ですが、こちらもご多分に漏れず強い氣を放っていて、今日一番と言ってもいい痛みが感じられます。

では、今日一日楽しいパワースポット巡りが出来たことを感謝し、代表として、ぱん!ぱん!を受けていただきます。ぱん!ぱん!っと。

パワースポット(1024)「弁財天」
池の周囲を歩いてみました。休日とあってか、地元の高齢者グループや犬の散歩に来た夫婦が数組たたずんでいます。

この茂み、なんかカワセミが棲んでいそうじゃないですか。杉並区の善福寺公園を思い出します。ゆっくりゆっくり裏側へ回ってみました。しかし、水面のどこを見ても、とても小魚が泳いでいるようには思えず。「さすがに、食べ物がなければ棲むことはできないだろう」と諦めかけていたところ、キキキッ!という甲高い自転車のブレーキ音が響きました。まさか、カワセミが居るのか!?と身構えると、目に前にー、

ちょこん、と。おおー、今週も大金星を発見!

さらに、キキキッ!と鳴いて向こう岸に飛んでいったかと思うと、ドボンと潜り、白い物体をくわえて上がってきました。小魚のようです(残念ながら、わたしのデジカメの性能ではここまで)。あんな小さな目で良く小魚が見えますね。気づけば、池のほとりに居た人たちが集まって、カメラやスマホで撮影していました。地元では有名なカワセミ観察地なのかもしれません。どこでも、みんなに暖かい目で見守られる、そういう存在にわたしもなりたい。

やっぱり来て良かった。見所いっぱいの旅行となりました。