ちょっと空を見上げるだけで
すこし耳を傾けるだけで気づく
豊かな世界「野鳥の世界」
それに気づいて生きるのと
気づかないで生きるのとでは
まるで豊かさの違う
人生になりそうです
パワースポット巡りをしていると、よく野鳥を見かけます。最初はおまけとして撮っていましたが、思い入れが日増しに強くなっていき、ついにカテゴリーを設けることにしました。野鳥の生態はど素人、愛機はもうすぐにでも寿命が尽き果てそうなボロボロのデジカメ・・・。そんな低装備なわたくしですが、「かわいい野鳥を見たい」の一心だけで全国を探索していきます。実際の野鳥は、われわれ人間などには、はるかに及ばない過酷な一生をおくっているのですけどね・・・。まあ、いいじゃないですか。かわいい野鳥を探して見つけることができれば、かわいいものを見たときに溢れる「幸せ脳内物質」に満たされ、幸せな日常をおくれるのですから。
そう、「野鳥」探しは「幸せ」探しに他ならないのです。「毎日が楽しくない、幸せを感じられない」という人には、ぜひオススメします!

野鳥探しであちこち探索しているうちに、自然と、「定点観測で何度も足を運ぶ順路」と「そうでない順路」が生まれてきました。言葉では表現しづらいのですが、歩いていて「心の奥底から楽しい順路」と「そうならない順路」があるのです。前者で代表的なのは「府中市郷土の森公園」「七生丘陵東回り」「淺川」です。何度巡っても楽しいし、新たな発見があるため、今では自宅と職場と並ぶサードプレイスと呼ぶ存在になっています。では後者といえば、なかなか挙げにくいのですが、代表的な場所に「都立桜ヶ丘公園」が挙げられます。前者に挙げたどこよりも、超望遠レンズを携えた上級野鳥撮影者が多いので、腕前が上がればどこよりも楽しいのでしょう。しかし、わたしには「相性が悪い」としか言いようがなく、具体的に挙げる点は無いものの何となく楽しめず、年に1回巡るか、あるいは2、3年に1回でもいいやと考えているほどです。
今日は(8日、土曜日)、出発がお昼過ぎと出遅れたため近場での探索となりました。そこで、ひさひぶりに桜ヶ丘公園に足を運ぶことにしました。今回は果たして楽しめますやら。
自宅アパートから多摩川に架かる関戸橋、大栗川に架かる向岡大橋をわたり、ダラダラした川崎街道の坂を上がっていきます。やがて到着しました「都立桜ヶ丘公園」です。

まずは、展望デッキから富士山を仰ぎます。

少し雲がかかっていますが、それでも良い眺めでした。神社代わりに「ここでも楽しい時間を過ごせますように」ぱん!ぱん!っと。

「赤い実の道」を注意深く野鳥の姿を探しながら降りていきます。ヤマガラを何度も目撃した場所です。しかし残念なことに、ヤマガラどころか他の野鳥の鳴き声ひとつ聞こえてきません。

まるで蛇が巻きついているかのようです。こういう性質の植物をよく見かけます。グルグル巻きになっていて、見ていて気持ち悪くなります。

曲がって「うぐいすの道」を登っていきます。エナガやシジュウカラをよく見る坂です。うーん、今日は何も居ないなあ。

「五賢堂」まで来ました。前に建っている「多摩聖蹟記念館」と共にパワースポットです。なんでパワースポットだとわかるのかと言うと、「パワースポット特有のこめかみ辺りにキーンとくる痛み」を放っているからです。全国で見かける明治天皇の行幸碑は、すべてが強めのパワースポットになっています。貼紙を読むと、五賢堂の建設は昭和43年とのこと。わたしと同じ年じゃないですか。親近感が湧きますね。

とくに野鳥との出会いが無いまま「おもいでの道」に出ました。ちょうど前半戦が終わったことを意味します。ここまで入園から1時間半。このような注意書きが貼られていました。「クリップでとめられている」ところが、いかにもお堅い都職員が管理している公園、つい微笑んでしまいます。幸せの青い鳥ルリビタキの画像が使われていますが、さすがにこの公園にはいないでしょう。こんな滅多に出会えない美しいやつがいれば、この公園の印象もガラリと変わるんですけどね。

後半戦になって、ようやく野鳥たちを見かけるようになりました。コゲラが、ギーギー♪

あそこにチョコマカしているのはー、

ヤマガラです。

一旦わたしの姿を見ると一目散に逃げていきますが、すぐに戻ってきて、今度は「あいつは何者なんだ?」とばかり観察しに近寄ってきました。ヤマガラは好奇心旺盛な性格のようで、こういうやつが多かったりします。
<ベェーベェー♪(おめえ、どこのモンじゃい)

ブスっとふてくされている顔で睥睨している緑色の野鳥がいました。いつもは草むらに隠れて姿を見せないアオジです。油断したな。

<チッチッチ♪(見つかっちまったぜ)

時計を見ると3時を過ぎていました。樹木の下でガサガサやっているシロハラを写したら、こんな感じに。完全にピンボケです。やばっ、このデジカメは日が落ちてくると極端に精度が悪くなるのです。ようは、暗さに弱いのです。野鳥を撮るからって、自分も鳥目になる必要ないと思うのですが。

これは早めに写していかないと。2月なので明るい時間帯が終わるのももうすぐです。こっちは、シロハラのメスでしょうか。パシャ。うーん、やっぱりボケてしまいます。

メジロをパシャ。まあ仕方ないかも。

ハトのような違うような、見間違えるほどの大きさの鳥が4羽、地面を突いていました。デジカメを向けると、そのボテッとした体に似合わない俊敏な動きで藪の中に隠れていきます。

逃げ遅れた最後の1羽をかろうじてパシャっと。これは、おそらくコジュケイではないかと。あまり見られない種類なので大喜びしてしまいました。しかし、画質はこんな最悪な感じに。公園内の茂みの中からよく、ヤマガラやシロハラとは考えられない大きな音で、地面を漁る音が聞こえてきます。その正体はコジュケイなのかもしれません。

一通り園内を巡りました。そろそろ切り上げようと、谷になっている土地にさしかかりました。ヤマガラ、アオジ、シロハラ、メジロ、コジュケイとかわいい野鳥たちに会えましたが、果たして「心の底から本当に楽しめたか?」と問われれば、どうも微妙なところでした。すると、一人のベテラン撮影者が遠い一点に望遠カメラを向けてシャッターを押している場面に出くわしました。わたしは撮影の邪魔にならないように通行を控えて、しばらくその場に留まっていました。そのベテランさんがわたしの存在に気づくと、目配せをして、正面の一点に向かって指を差し始めました。「あそこに何かが居ることを知らせようとしているのかな?」と不思議に思い、見ず知らずの方でしたが声をかけてみました。すると「あの枝にルリビタキがいましたよ」と思いがけない衝撃の事実を教えてくださいました。わたしがあわてて凝視したときは飛んで逃げた後のようでした。なんと、あの貼紙の画像は真実のようで、この公園にはあの幸せの青い鳥が見られるようです。だから、こんなに超望遠レンズを携えたベテランさんが多いのかもしれません。
・・・「年に1回巡るか、あるいは2、3年に1回でもいいやと考えているほどなのです」この発言は撤回します!俄然、この公園が魅力ある聖地に見えてきました。「心の底から本当に楽しめる」サードプレイスになるかも。これからも、時間があればちょくちょく足を運ぼうかなと思います。