地方へ出張したり、旅行したりするとき、よく地方百貨店を見にいきます。県庁所在地の一等地に、ドーンと構える本店を見上げると、まるでお城の天守閣を観光しているような気分になるからです。つい、一地方を領国として支配する「戦国大名」へ、イメージを重ねてしまうのです。
地元民から「贈答用は〇〇の紙包みじゃないとダメ」と言われ、絶大な信頼と誠意の象徴だった地方百貨店も、その隆盛が終わり斜陽産業として風前の灯と化しています。しかし、そこに「滅びの美学」を見出だしてしまったりもするのです。時代の移り変わりにより、やがて消えてなくなっていく運命に、たまらなく心ひかれてしまうのです(すんません、まだそう決まったわけじゃないけど)。
一時期、買い物をして紙袋を集めようとしたことがありました。でも、できませんでした。だって、買いたいものが全然無いから・・・あ、だから斜陽産業なんですね(おっと、しつれい!)。
・・・ まあ、そんなこんなで、できるだけ寄った際は写真に撮るようにしています。ただ残念なことに、店内の情景を撮るのは、さすがに憚れます。なので外観だけでもお楽しみいただければと思います。
昨日、ネットのニュースをつらつら見ていたら衝撃の記事が。
甲府の「岡島百貨店」が14日で閉店だそうです。知らなかった。地方百貨店愛を語っていいるけど、けっこう業界の情報には疎いのです(苦笑)。
このカテゴリーの第1弾で取り上げた百貨店だけに、残念でなりません。お店の雰囲気は良かったけど、日中のお昼どきなのに商店街は人っ子ひとりいない状況でした。「甲府全体の問題が顕在化したものだ」という気がしてなりません。
そして、それは「日本国全体の問題」なのかもしれません・・・
【過去の日記から】
山梨甲府の領主「岡島百貨店」「山交百貨店」 2019/08/10
JR中央本線南口を出たところ、左手すぐの場所に鎮座する「山交百貨店」。店名から推測すると、山梨交通とかいう運輸系の会社が経営しているのでしょうか。
すると、いきなり、玄関口に「9月30日をもって閉店します」との立て看板が・・・。
店内はすでに退店してしまったテナントさんが半数近くあって、さびしいものがありました。スターバックスの輝きだけが異彩を放っていました。でも、閉店する前の貴重な雰囲気を味わえたのですから、幸運だったのかもしれません。創業は昭和29年だとか。長い間、おつかれさまでした。
駅から10分ほど南下していき、市役所付近まできたところ、一番の商店街の真ん中にありました。甲府のもう一方の雄、天保14年創業「岡島百貨店」です。こちらは、まだ元気そう。店内の照明は明るめだし、割と若い女性店員さんがいたりして、斜陽百貨店とは一線を画す感じがしました。
さすが、武田氏のお膝元・甲府の百貨店。まるで信玄を彷彿とさせる存在感がありますな(ムリヤリすぎるかなー)