2011年9月の三連休に、京王線・若葉台駅から小田急線・唐木田駅まで連なる「よこやまの道」を歩きました。雑木林と昆虫が息づく自然環境にワクワクしたり、前日襲った台風の爪痕にハラハラしたり、大変思い出深い散策となりました。そのせいか、ずうっと心の中に残っていて、またいつか歩いてみたいと機会をうかがっていました。
そんなこんなの今日(2月26日)、朝起きて外を眺めると、とても2月とは思えない陽気で、絶好の散策日和。心の中に、ふいに「あの道を散策するのは今日しかない」という決心が生まれてきました。そこで、急遽、若葉台駅に向かうことにしました。
家を出て、関戸橋を渡り、以前巡った「都立桜ケ丘公園」へ。相変わらずたくさんの野鳥の鳴き声と、それを追いかけるバズーカ砲みたいなカメラをかかえた野鳥撮影マニアがいます。
でも、今日はそれをしり目に通り過ぎます。今日は通り道ですから。
シジュウカラ<いつもウザいけど、かまってくれないと逆にさびしいなあ・・・
公園から30分ほどで若葉台駅裏に着きました。青空に赤い梅の花が映えます。
さあ、ここが「よこやまの道 西順路」の出発点。
(2011年9月23日)
その、すぐそこに、かわいい一輪の花が。幸先の良い出発となりました。
花<いってらっしゃい~
この辺りは「コゲラ王国」といった雰囲気。♪キーキーという鳴き声と、トントントンと軽快に枝を叩く音があちこちから聞こえてきます。
道案内と、歴史的な背景、自然環境の意義が書かれた案内板が立っていました。大変わかり易いし、観光事業として行政が力を入れているのがわかります。要約すると、武蔵の国府があった府中から、この丘陵は横に長く連なって見えていたと。夕暮れ時になると、その美しい姿から「多摩の横山」「眉引き山」と呼ばれていたのだそうです。交通の要所として、東国と西国を結び、鎌倉古道、奥州古道、奥州廃道、古代東海道が南北に交差し、商人、武士団、巡礼者、新選組らが行き来した歴史浪漫あふれる道なのだとか。すばらしい、ワクワクしてきます。
前回巡った9月とは真逆の季節、見える景色がまったく違います。
もちろん、どっちも良い。これぞ日本の四季の破壊力ですね~
(台風の爪痕がものすごかった、2011年9月23日はこちら)
大切なことが書かれています。「萌芽更新」と「根株移植」。要約すると、萌芽更新とは、雑木林を伐採した後、切り株から生えてくる新しい枝を選抜しながら育てていき、10数年後には元の雑木林に戻す技術。根株移植は、伐採した後の切り株を根元から移植して、そこで萌芽更新させる工夫なのだとか。大切なのは、「多摩の雑木林は手つかずの原生林ではなく、人の暮らしを支えるために(炭、薪、肥料)、人が若返りの技術を駆使して維持管理してきた」という点です。その技術と考え方が、これからの自然・環境問題解決に向けて大切になってくると思うのです。
この環境は、志の高い行政とボランティアで支えられているようです。頭が下がりますな。
出発点から20分ほどで「諏訪ヶ岳」山頂へ。
やったー!制覇!!・・・標高144.5mだけど(笑)
さらに笹薮を抜けると、
全道程で一番の見どころ「見返り峠」に着きました。万葉歌によれば、北九州の警備のために、多くの東国人が駆り出されました。警備兵を防人といいます。「再び故郷に戻ることはできない」と覚悟を決めて、ここで故郷を振り返り別れを告げたといいます。そこに立って、彼らが見たであろう風景を眺めていると、胸にジーンときますね。
(2011年9月23日。台風の翌日なのでまだ曇ったままでした)
遠くに連なる秩父、奥多摩の山々。しかし、何といっても存在感があるのは左端に大きく見える「大山」です。ぴょこんと突き出した特徴ある山頂ですぐにわかりました。小田原・吾妻山公園からも見えましたし、日野・長沼公園でもそうでした。いろいろな場所から目立って見えるところが関東総鎮守として崇められる所以かもしれません。下社までしか巡っていないので、ぜひ近いうちに上社へ。
さあ、どんどん行きますよ~
分倍河原合戦と関係があるようです。合戦前夜、新田軍を迎え撃つために北条泰家軍20万騎がこの辺りで野営したのだとか。分倍河原駅近くの合戦場跡は負のパワースポットと感じるようなキツイ場所でした。ここはどうか?というと、とくに感じるものはありませんでした。
スポーツ選手の掛け声が聞こえてきます。アメフト、野球のグランドが見えました。両脇は、国士舘大学のようです。こんな贅沢な環境に校舎があるのですね。うらやましい。
ここで一旦、雑木林が途切れて一般道へ。
食べられた柑橘類が。野鳥の食べた後かな。
陸橋を渡り、また雑木林に戻って、
「一本杉公園」へ突入。
入ってすぐのこの辺り「パワースポット特有のこめかみ辺りにキーンとくる痛み」がきます。
前回でも、ここを通ると、こめかみ辺りに痛みがくる、空間がねじれているように感じると書きました。しかし、その時はまだ「パワースポット巡り」を企画していない時期。さらっと書いたのに留まりました。わたしの「パワースポット鑑定士」人生の初期の頃の思い出の場所になります。
♪コケコッコー
おお、群れになって鳴いている野鳥がいるぞ!・・・なんてことはないですよね(笑)公園でニワトリが飼われているようです。
ハクセキレイもいました。
ここで公園を出ます。
ハー、ハー・・・
出発してから3時間が経過。かなり疲れてきました。「地の果てまで来た」感覚なのですが、ここから見える、あのビルがベネッセですから、京王多摩センター駅のすぐ裏にいるだけか(苦笑)
「奥州古道と石仏群」とは!?
250m南に小野浅間神社、白山神社、石仏群があるそうです。めちゃくちゃ気になるけど、今日のところは時間が無いので断念。
ここからは、一般道、住宅街に入ります。洗車しているお父さんや、洗濯物を取り込んでいるお母さんの横を歩いていると、さすがにこの設定は無理があるかも、なんて思えてきます(苦笑)
要所にトイレが設置されているのも、この古道の特徴。清掃も定期的にされているようです。おそらく、整備の予算で作られたのでしょう。
突然、違和感ありありの巨大建造物が目の前にドーンっと。いつの時代の、何の建物を模したのだかわからない。見上げていると圧倒されます。どうやら福祉センターみたいです。
京王多摩センター駅のベネッセがあんなに小さくなりました。
この辺りから、疲れで耳が遠くなってきて、もう盛んに鳴いている野鳥たちの声も聞こえてこない状態に・・・
眼下に小田急線の車両が見えました。帰りに乗る唐木田駅でしょう。終点はもうすぐそこだ。
歴史、伝説、民話、興味深い伝承の類がこの辺りに息づいているようです。この風景を見れば、それも納得がいきます。本当はもっとじっくり時間をとって散策したいんですけどね。
見晴らしの良い場所に来ました。
おおっ、背景にうすぼんやり見える黒い影は房総半島なのだとか。やっほ~、千葉~♪
♪トントントン
さあ、この階段を下りていくとー、
やった~、完全踏破~!
出発したのが午前11時10分で、今は午後4時10分。ちょうど、5時間の長旅になりました。疲労困憊ですが、この清々しさは何なんでしょうか。自然、歴史、物語、いろいろなことが学べながら、健康にも良いという、良いことずくめの道程でした。
周辺にはまだ他にも自然環境に恵まれた公園があるようです。順に巡っていきたいと思います。
(2011年9月23日)